昆虫

乗っ取りヴェスパ

生物の習性というのは本当に摩訶不思議で、一体どういう進化のプロセスをたどるとそういう習性を獲得するのだろうと、首を傾げたくなるものがある。

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樹液をせっせと吸っているチャイロスズメバチのワーカー(働き蜂)。チャイロスズメバチは女王蜂が他の種類のスズメバチの巣に侵入、女王蜂を殺した後、残った他種のワーカーを使い自分の子供を育てさせるという恐ろしい習性を持つ。このチャイロスズメバチのワーカーも他種に育てられたものなのだろうか。

チャイロスズメバチはかなり希少な昆虫で、県によってはレッドデータブック記載種になっていることも少なくない。他種の巣の乗っ取り、他種のワーカーを使い、自分のワーカー育成をさせるというのはあまり感心しないが、これは主観だ。完全にニュートラルの気持ちで、希少なものは守るという価値観を身に付けたときこそ、「保護」という行動が自然にできると思う。

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カラスの羽衣

一般的に「真っ黒」というイメージしかないカラスは、よくよく見ると光線の当たる角度によって紫~緑色の光沢が出て美しい。昔の人々の観察力はかなり鋭くて、そのようなカラスの羽衣の光沢を認識していた。「烏(からす)の濡羽色」という言葉は、カラスの美しい羽衣を良く表現していると思う。

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登山道沿いの水たまりで吸水するミヤマカラスアゲハ。「カラスアゲハ」という名前は、その美しい色彩をカラスの羽衣に例えたもの。 行動範囲は広く、低い山から3000m級の高山の上まで登ってくることがある。以前、この美しい大型のチョウが中央アルプスの稜線上を飛んでいるのをみたが、目を見張るものがあった。

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冬眠明け

春めいてくると植物だけではなく、動物も活動を始める。

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成虫のまま越冬するルリタテハ。冬眠明けにコナラの幹の上で日光浴をしている。この瑠璃色やヒオドシチョウの鮮やかな橙色を目の当たりにすると、厳しい冬を越してきた独特の美しさに圧倒される。

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池の監視

池の上をギンヤンマが飛翔していた。決まった縄張りがあるらしく、常に同じルートを繰り返し飛んでいる。

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飛んでいるトンボの写真を撮るのは至難の業だが、ギンヤンマやオニヤンマなど一定のルートを飛ぶものであればなんとかなりそうだ。もう少し焦点距離の長いレンズやら光量の大きなストロボがあればさらに…といっていると欲しい道具は増えるばかりだ。

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秋の大発生

9月に入ると、あちこちにイチモンジセセリが見られるようになる。

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一見ガの様に見えるが、れっきとしたチョウの仲間(といってもチョウとガは同じ仲間だが…)。イチモンジセセリはイネ科の草本を食草として、秋になると大発生するとともに大移動を行う。大きな眼と後ろ羽根に「一文字」に並んだ白い模様が特徴。ある本に人間の稲作の歴史の始まりとイチモンジセセリの大発生は関係があるかもしれないという文章が載っていた。イチモンジセセリのような地味なチョウでも人間との関わりの中でその発生パターンを変えたのであれば、もっと目に付く生き物もきっと人間との関わりの中で発生や生育パターンが変わったものも数えきれないのかもしれない。


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孔雀

秋というとキクの仲間の花盛りだが、信州の奥深い渓谷にはフサフジウツギという派手な植物も花盛りになる。

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このフサフジウツギは帰化か在来か議論が分かれている。それはさておき、綺麗な花を一面に咲かせるだけではなく、良い香りも周辺に漂う。この花には大量にチョウが群がる。写真に写っているのはクジャクチョウ。その美しい羽根を鳥のクジャクに例えたものだ。フサフジウツギとクジャクチョウの組み合わせはかなり目立ち、日本のものとは思えない派手な光景が渓谷の中のどこにでも見られる。


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働きアリ

現場に出ていて昼食の弁当をひっくり返してしまった。途方に暮れていると、アリたちが集まってきた。

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せっせと餌を運ぶ働きアリ。アリというのは縦横無尽に歩いていて、一寸した餌もすぐに見つけて巣に運ぶ。おそらく人間が生活している場所で、極地以外のあらゆる空間をアリが歩いてるのではないだろうか。「アリのはい出る隙間もない」という言葉があるが、人間が隙間がないと思っていても、見えない隙間をいくつも通っているのかもしれない。

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高原の組み合わせ

この季節アサギマダラは高原に多く群れている。

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アサギマダラが必ず訪れると言って良いのが写真のヨツバヒヨドリ。ヨツバヒヨドリが群生している場所はアサギマダラも沢山群れている。ヨツバヒヨドリとアサギマダラ、これこそ高原の夏を代表する組み合わせだ。

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マルハナバチの働き

マルハナバチは花粉媒介の世界では最も有名な昆虫だ。体の表面には毛がびっしりと生えていて、花粉をつけるのに好都合だ

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キハギの花を訪れているオオマルハナバチ(?)。大きな丸い体に小さな羽根が特徴。この体のバランスでは航空力学の世界では空を飛べないことなっていたそうだが、後に空気の粘性やら揚力を考慮するとやはり飛べることになったそうだ。実際に飛んでいるものに対して飛べない、やっぱり飛べると議論する事自体科学の滑稽な一面をみるようだ。それだけ客観的に説明がつなかいデザインを太古の昔にマルハナバチが獲得していたということになる。

昆虫は変温動物で気温が低いときには動けないとされるが、マルハナバチは気温が低い時にも自分の筋肉からの発熱で動くことが可能で、早朝から花を訪れている。これだけの「高機能」な昆虫も少ないのではないだろうか。

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カメムシの厨子

タマムシは羽根の表面のタンパク質の並び方で光線の反射率、反射角度が変化しているため、見る角度によって色の変わる玉虫色になる。その色は構造色と呼ばれ、色素ではないため、長期間きらびやかな色が保存される。昔の人もそれを知っていて、1000年以上前に作られた玉虫厨子(たまむしのずし)という芸術品が今でも綺麗な色を保っている。

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ニガキの枝に大きなカメムシが付いているのを見つけた。

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近づいてみるとアカスジキンカメムシだった。この種類は美しいことで有名なカメムシだ。体の表面にはビーズをちりばめた様に緑と赤の模様が並んでおり、ブローチのデザインにそのまま使えそうな感じだ。このきらびやかな色も見る角度によって微妙に色が変化し、明らかに構造色のようだ。キンカメムシを並べて亀虫厨子(かめむしのずし)ができそうだが、カメムシ特有の臭いで作るのは困難だろう。

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