ごく珍しいシダ
分布が広いが、珍しい植物というのは多い。その理由には2つあり、1つは、かつては全国的に生育していたが、開発などにより激減したもの、もう1つはもともと少ないものがある。前者は湿地の植物などが代表的で、後者はもともと生育環境がやや特殊で生育場所そのものが限られているものだ。
後者にあたると思われるオクタマシダは、空中湿度が高いが、やや乾いた岸壁に生育するシダだ。オクタマシダが生育できる環境条件を満たすことができる場所というのはなかなかない。そのため、オクタマシダの分布は本州~九州と広いが滅多になく、環境省のレッドリストに掲載されているほか、多くの県のレッドデータブックにも掲載されている希少なシダとされている。
オクタマシダが生育できる岸壁はコケが一面に生えているものの、そのコケは常に干からびている。きっとそのコケはオクタマシダ同様に環境をシビアに選んでいるのだろうと思うのだが、まだコケに手を出す勇気はない。オクタマシダに出会うだけで十分満足できるが、それに随伴して生育するコケまで覚えたら、狭い面積から膨大な情報をキャッチすることができるのだろう。
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