内陸の若狭湾?
滋賀県の鈴鹿山地の山中を走っていると、崩壊地や崖の一面にキクの花が咲いていた。特徴を見るとリュウノウギクのようだ。リュウノウギクは、かつて防虫剤として利用された樟脳(しょうのう)と化学式の似た龍脳(りゅうのう)の香りがすることからその名前が付いた。龍脳を辞書で調べると墨の独特のにおいの成分とある。
しかし、普段見るリュウノウギクはもう少し花が小さく、こんなに花つきも良くない。まるで西日本のノジギクのようだ。図鑑をよく調べてみるとリュウノウギクの変種のワカサハマギクのように思えてきた。ワカサハマギクと呼ばれるものは、本来は福井県などの日本海側の海の崖に生育するのだが、染色体数の調査などから、伊吹山、鈴鹿山脈に生育するリュウノウギクの一部もワカサハマギクに含まれるようになったそうだ。
中には花の直径が5cmを超えるものもあり、図鑑上ではワカサハマギクにしか該当しない。名前を確定するには染色体数を調べる必要があるが、内陸でワカサハマギクに出会う機会などそうそうない貴重な体験をした気がした。
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