« 2009年7月 | トップページ | 2009年9月 »

2009年8月

乗っ取りヴェスパ

生物の習性というのは本当に摩訶不思議で、一体どういう進化のプロセスをたどるとそういう習性を獲得するのだろうと、首を傾げたくなるものがある。

Imgp8459

樹液をせっせと吸っているチャイロスズメバチのワーカー(働き蜂)。チャイロスズメバチは女王蜂が他の種類のスズメバチの巣に侵入、女王蜂を殺した後、残った他種のワーカーを使い自分の子供を育てさせるという恐ろしい習性を持つ。このチャイロスズメバチのワーカーも他種に育てられたものなのだろうか。

チャイロスズメバチはかなり希少な昆虫で、県によってはレッドデータブック記載種になっていることも少なくない。他種の巣の乗っ取り、他種のワーカーを使い、自分のワーカー育成をさせるというのはあまり感心しないが、これは主観だ。完全にニュートラルの気持ちで、希少なものは守るという価値観を身に付けたときこそ、「保護」という行動が自然にできると思う。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

休耕田で鳥もお休み

福井県嶺北のとある休耕田、雑草生やさないためか、代かきがしてあった。

Img_0988

その休耕田で、ケリの幼鳥がたくさん群れていた。中には水浴びをするもの、居眠りをするものなどがいた。ケリは農耕地帯で繁殖するチドリで、中部地方であればよく見かけるし、春先には子連れもよく見られるが、幼鳥が群れているのは初めてみた。

休耕田は水田雑草の希少な棲み場となるが、ケリの幼鳥にとっても重要な休憩地となるのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

カエル氏何思う

とある実験を行っているビニールハウス内。温度を測るためのセンサーのカバー(小型百葉箱のようなもの)にいつの間にかアマガエルがたたずむようになった。

Imgp8149

内部の計器には影響はないだろうが、暑いビニールハウス内でアマガエル氏が熱中症にならないか心配になる。

Imgp8148

カエルは色々なことを考えるほどの思考能力はないはずだが、こうしてたたずんでいる姿を見ると人間には認識できないところで、実はすごく崇高なことを考え込んでいるのかも知れないと思えるほど知的な顔をしている。目が2つあって口があって、指のついた手足があると何故か擬人化してしまう。古来、カエルは擬人化される対象になっている。このアマガエル氏の顔を見ていると、実は、人類のほうが単純な世界で不必要に大きな脳で余計なことを考えているだけなのかもしれない…と思ってしまう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

土着の植物

地名を冠した生物は多い。ギフチョウは「岐阜」、ナライシダは木曽の「奈良井」の名前を冠する。しかし、種名に含まれる地名は多くがその場所で記載されたというだけで、その場所にしか生息、生育していないわけではなく、結構広い分布をしていることが多い。 Img_0977 写真の植物はアズミノヘラオモダカ。長野県の安曇野で発見、記載された植物だ。安曇野周辺に生育していており、他の場所でも見つかっているものの、数は少なく、分布域が長野県を出ることはない。この希少な植物が群生しているとのことでK氏に場所を案内していただいた。この休耕田ではおびただしい数のアズミノヘラオモダカが生育しており、これほどの群生を見たことはなかった。 Img_0978 普通のヘラオモダカは葉よりも高い位置に花を付けるが、アズミノヘラオモダカは葉よりも低い位置に花を付け、実を結ぶ。同所的に普通のヘラオモダカもあったが、中間的な特徴を持つものはなく、明らかに遺伝的に固定されたもので安曇野で遺伝的に固定された安曇野特有の「土着」の植物であることがわかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

サンショウの浮葉

梅雨が明けたのだか、明けていないのか、まだまだ分からないような天気が続く。気象庁の「梅雨明け宣言」は本当なのだろうかという疑念さえ湧く。

Img_0917

…といいつつも水辺ではきちんと真夏の植物が繁茂し始めている。水に浮かぶサンショウのような葉は、サンショウモというシダの仲間だ。涼しげな雰囲気が夏にぴったりだ。サンショウモは除草剤などの薬品に弱く、姿を見られる水田がめったにない。是非とも守ってあげたいものだが、希少だから守ろうというのではなく、この涼しげなデザインを残したいという主観的な価値観をもった保全というのもたまには良いのではないだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年7月 | トップページ | 2009年9月 »