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2009年7月

極楽浄土の花

なかなか梅雨が明けず、どこに言っても雨が降っている。そろそろ盛夏となるはずなのだが…。

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調査の最中、ハス田を見つけた。日が当たっていればもう少し元気良く開いているはずの花も少しつぼんでいた。これはこれで美しいのだが、やはり元気に開いていて欲しい。

ハスは南方に起源があり、日本には古い時代にやってきたそうだ。ハスといえば、その根茎を「蓮根」といって食用とすることや、種子がとても長い期間休眠できることが有名な特徴だ。 このうち、種子の長期休眠については本当に恐ろしい能力で、遺跡で採取された数千年前の種子が発芽することができるという。はたしてこの脅威の休眠能力を人類が知ったのは本当に最近のことなのだろうか?

現在の人間と同じ脳を持った人類が地球上に生まれたのが数十万年前。とすれば、数千年前の人がさらに数千年前の遺跡から発掘したハスの種子の発芽能力を知っていてもおかしくはない。ハスの花を見るたびに有史以前に失われた歴史があるのかもしれない、と思う。

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日食

今日はめったにないという国内で皆既日照が見られる日だ。しかし、本州では部分日食となった。

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今日は野外で調査だったので、運がよければ日食を拝めるかと思ったら、朝から雨。ところが、日食の瞬間だけ雲が薄くなり、しっかりと日食を確認することができた。日食の最中は薄暗い状態になった。谷底の渓流沿いにいたので、木陰などは本当に暗く、夕方のようになった。

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気温が低かったこともあって谷沿いは霧のような状態になり、幻想的な日食の瞬間を堪能することができた。

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不機嫌なスイレン

夏の池といえばハスとスイレンの花が代表的な花として挙げられる。ハスやスイレンは古い時代に日本に輸入されたり、品種改良されたものばかりだ。しかし、日本にも自生しているスイレンの仲間はある。

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日本のスイレンの名前はヒツジグサ。花の直径は5cm程度と小さいが、清楚な花だ。日が照らないと花が開かないので写真を撮るのが結構難しい。少し天気が悪いとすぐにへそを曲げて花を閉じてしまう。上の写真のヒツジグサの花も雨の間隙に少し日が差したほんの15分ほどの間だけ咲いていた。

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涼やかなランⅡ

カキランに引き続き梅雨時に咲く涼やかなランをもう1つ。

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ミズチドリは湿原に咲くラン科植物。ミズチドリの属するツレサギソウ属は地味な緑色の花を付けるものが多い。以前紹介したヤマサギソウもミズチドリと同属だ。地味な花の多いツレサギソウ属でも珍しく白い花をつけるミズチドリ。そんなミズチドリは涼やかなことこの上ないデザインをしている。

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今年も咲いた!

去年見つけたオオアカバナの群落。多年草だけあって毎年花を付けるらしい。今年も大きな花をたくさん咲かせていた。

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アカバナという休耕田などに生育する花の倍以上の大きさの花をつけ、遠くからでも簡単に見つけられる。北方の湿地にだけ生育し、ふとした拍子に出現して、いつの間にか消滅する。まさに旅人といえる植物だが、鳥が運ぶとされるため、ヴァンダーフォーゲル(渡り鳥)という言葉が最も似合う植物だと思っている。

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去年に比べて群落が明らかに大きくなり、二畳分くらいの面積になった。このままどんどん育ってほしいものだが、きっと周囲に樹木やガマ、ヨシなどが繁茂して消滅する運命にあるのだろう。少しでも多くの種子を水鳥に運んでもらって新天地に定着してもらいたいものだ。

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涼やかなラン

梅雨の真っ只中、雨が降り続いている。やっと晴れたかと思えば、異様に蒸すというあまり居心地のよろしくない季節だ。

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ランの仲間は今が花盛り。写真はカキラン。この鬱陶しい季節のカキランの花は涼やかだ。花が下向きなので、花の写真を撮るときは地面に寝そべらなければならないのが少ししんどいが…。

カキランは、だいぶ前に紹介したエゾスズランの近縁種だ。2種の違いは、花の色だけではなく、カキランは標高の低い湿った森林に生育し、エゾスズランは少し標高の高い乾燥した崩壊地や表土の薄い森林に生育するという違いもある。

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初夏のアザミ

久々に棚田の草刈りに行った。春先に刈られたはずの場所は高さ60~70cmまで伸びてボーボーの状態だった。

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春先に咲くノアザミがまだ綺麗な花を付けていた。棚田に生育する人里の多様な植物は人が火入れや刈り取りをして維持してきた。貴重だからといって手をつけずに放っておくと少ない種類からなる藪になってしまう。このアザミも心を鬼にして刈り取って、来シーズンまた綺麗な花を期待しよう。

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