« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »

2009年5月

ツキミソウあれこれ

「富士には月見草が良く似合う」という言葉で有名な「富嶽百景」という太宰治の小説がある。高校時代の現代文の教科書に出てきた気がする。この場合のツキミソウは、観賞用の白花のツキミソウではなく、近縁の黄色いマツヨイグサの仲間とされる。

Img_9950

マツヨイグサも夕方ごろ咲き始め、明け方には花がしぼむ。まさに月を見ている草だ。

Img_0226

ツキミソウの中には昼に咲く ヒルザキツキミソウというものもある。この仲間は、みな外来種で日本のものではない。マツヨイグサに良く似たメマツヨイグサや海岸沿いに多いコマツヨイグサに至っては法律により要注意外来生物に指定されている。

富士に良く似合うのが外来種。余計な知識があると、けしからんという意見が出そうだが、その知識が無ければ黄色いマツヨイグサと富士山の対比は美しいと思える。正直、外来種であるとの知識があっても綺麗だと思う。

人間の感覚というのは予備知識によりフィルターがかかる。現代文の教科書に注釈で月見草が外来種であるということをつけると生徒の感想が少し変わりそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

パラサイトⅡ

静岡への出張の際、川の堤防一面に黄色い花が咲いているのを見つけた。

Img_0245_2

ゴマノハグサ科のセイヨウヒキヨモギだった。ヨーロッパ産の帰化植物だ。葉緑体のある葉や茎がしっかりとあり、自分で光合成をするが、根の一部が他の植物の根に付着して地下から養分を盗み取る。完全な寄生ではないため、「半寄生植物」と呼ばれる。

以前熊本の菊池川という川で見たことがあるが、そこでも一面に咲いていた。この植物は一度広がりだすと一面を覆うほど繁殖力を持っているらしい。

今回セイヨウヒキヨモギを見つけた川、実は先月には一面ヤセウツボが咲いていた。この川はヨーロッパからの寄生植物が代わる代わる季節を彩るようになっているという、ある意味特異な光景を見た。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ツツジの季節

今どこに行ってもツツジの花がきれいに咲いている。ツツジは地域によって種類が異なり、ツツジを見るだけでその地域の春から初夏を満喫することができる。

Img_9870

四国はやはりオンツツジ。鮮やかで大きな花と3枚ずつ出る大きな葉が特徴。花弁や葉の形など全体的に丸っこい印象を受けるため、見ると少しホッとする。

Img_9916

時には5m位の大きなオンツツジも見かける。林床に生えていても花が大きいので目を引く。この圧倒的な存在感もオンツツジの魅力だ。

昨年三重で見つけたオンツツジのようなツツジと比較するために今回押し葉標本を作ったので少し手の空く6月くらいに今回の標本と昨年の標本を見比べてみようと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

道標

日本には旅人が道標とするために一里塚を作ったり、道標となる樹木を植える風習がある。道標となる樹木は地域によって異なり、今でも道端に大木が生えていることがある。

Img_0040

土佐の道標はセンダン。このセンダンは県道脇にある。幹の直径は約1.7mだった。一体何年くらいこの場所に立っているのだろうか。歩道はこの木を避けて通してあり、木の根元はきちんと草刈りがしてあったことからも地元の人々がこの木を大事にしているのだと分かった。高知ではこのようなセンダンの大木が、看板などによって高らかに説明されることもなく、道路脇や市街地に点在し、当たり前のように守られている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

過剰防衛

植物には自分の身を守るためにトゲを持った種類がある。バラなどは良い例で、茎にトゲがあり、虫がトゲとトゲの間をすり抜けて登ると必ず次のトゲに当たるようになっている。事前に綿密な計算でもしたかのようなトゲの配置をしている。

Img_9935

写真はジャケツイバラ。マメ科の低木だ。花が鮮やかな黄色で、崩壊地や河岸の崖地に生育し、分布は広いのだが、見かけることは少ない。このジャケツイバラ、恐ろしいほどのトゲをもっている。茎にはバラとは比較にならないくらいの密度でトゲが生えており、葉の裏表にいたるまで鋭いトゲが密生している。

しかも、このトゲはバラのトゲと違って、一度衣類や皮膚に刺さるとなかなか取れないというやっかいなものだ。植物体を守るという目的としても何も葉の裏表までトゲを持つ必要はないと思う。ジャケツイバラは他の植物に絡まりながら伸びる性質があり、伸びるときの足がかりとするためのトゲという意味もあるのだろう。しかし防衛のためというのであれば、確実に過剰防衛だと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

春のリンドウ

少し前紹介したハルリンドウの仲間、フデリンドウが咲いていた。

Imgp0641

フデリンドウは谷川沿いのちょっとした林床にぽつぽつと咲く。写真の個体は、花弁が虫に食べられていた。標高の高い信州ではまだ寒いこの時期、食べ物がないのか、それとも、花弁を専門に食べる昆虫がいるのかは不明。

青い花もきれいだが、薄い紫色の花も風情がある。谷川沿いはこの時期花が少ないせいか、この小さなリンドウが目を引く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

デンドロビューム

デンドロビュームというと洋ランの代表的な種群だ。アジア原産のデンドロビュームを品種改良したものの総称であり、属の学名(Dendrobium)でもある。日本にもデンドロビューム属の植物は生育している。

Photo

四国山地の山の中にあるとある小さな神社。そのスギの枯れた横枝になにやら付着しているものがある。これがセッコクという日本産のデンドロビュームだ。この神社にはスギの枝のいたるところにセッコクが付いている。

Photo_2 

写真中央のやや下には花の残骸が残っていた。もう少し早ければ美しい花を見られただろう。

Photo_3

しっかりとした気根で枝に張り付いているとはいえ、やはり強風が吹くと落ちてしまうものもあるらしい。スギの根元で落ちてしまったセッコクを見つけた。

実はこの神社、10年以上前に初めて高知を一周したときに立ち寄った神社で、初めて野生のセッコクを見つけた場所なのだ。これほど大量のセッコクがある場所いまだにこの神社以外でみたことがない。一度花の時期に訪れてみたいものだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

青いハルリンドウ

リンドウの仲間は晩夏から秋にかけて咲くものが多い。しかし、フデリンドウ、ハルリンドウといった春に咲く種類がある。

Img_9883

ハルリンドウは高さ数cmの小型のリンドウ。花の直径は約2cmにも達し、植物体のほとんどが花というなんとも可愛らしいリンドウだ。良く見かけるのは白や薄い紫の花が多いが、高知北部のとある山では青い花ばかりだった。

Img_9912

明るいシバ草地一面に咲くハルリンドウ。これほどたくさんあると、踏んでしまいそうでどこを歩いたらよいのか分からなかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シランの花

シランは河岸や湿った岩場に生育するラン科の植物だ。昨年鹿児島を訪れた際に、川沿いにシランの花がたくさん咲いていた。あまりにたくさん咲いていたので、写真はいつでも撮れると思っているうちに、撮るのを忘れてしまった。中には珍しい花の白いものもあり、ずっと後悔していた。

01

土佐清水の道沿いに野生のシランが群生している場所を見つけた。

02

運良く白花もあり写真も撮れた。花壇に植えられることが多く、植えられたものを見ても、特に感慨の無いシランだが、野生の状態でみるとこれほど美しいものなのかと感動する。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

四国山地へ

今回は全く計画を立てずに高知入りしたので、次の行動をそのときの気分で決めている。四万十川源流に近い鶴松ヶ森(四国は山の名前に森や峰が付いている)に登ろうと決めた。標高は1000m以上、四国でこの標高の山はかなり高く、しかも急峻だ。Photo

登山口ではユキモチソウが咲いていた。これを見ると四国に来たと感じる。

急に雨が強くなりやや不安を覚えた。道のあちこちが崩れており、危険なようなら引き返そうと思いつつ登った。

Photo_2

一番上の尾根が見えるところまで、登ってきたところで崖地になった。サワガニがいたのでカメラを向けると怒られてしまった。

ここまでくると雨が激しくなり、岩場を横切らなければならない場所があり、しばらく考えた挙句に危険なので登るのを断念した。「晴れていれば…」と思いつつ登頂は次の機会にしようと思った。

Photo_4

水滴を付けたケクロモジ。ケクロモジは暖かい地方に生育する樹木で、当然信州では変種関係のウスゲクロモジはあるものの、ケクロモジはない。往路の登りが急だったせいか、存在に気づかなかった。復路では意外とたくさんあることに気づき、初めての樹木との出会いに登頂できなかった悔しさもやや薄らいだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ハイテンションでgo!!

4月に「高知県植物誌」なる本が刊行された。
内容を見ていると、つい高知県に行きたくなり、何故か高知市に着いた。
すでに夜だが、市内でもスダジイの花の香りが漂うという、南国独特の春の雰囲気だ。
さて、明日からの予定を立てなければ。

| | コメント (2)

« 2009年4月 | トップページ | 2009年6月 »