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オオワシを探せ

オオワシは翼を開くと2.5mにもなる大型の猛禽類だ。そのオオワシを最近堪能することができた。堪能できたのは高倍率の望遠鏡を使ったからで、肉眼ではどこにいるのか分からない。

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写真のど真ん中にオオワシはいる。しかもオオバンを捕まえて食べている最中だ。…といってもこのサイズではあまり実感がわかない。野鳥観察用のスコープというのは本当に便利ですばらしい道具だと思う。

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 どんなに目を皿にして見ても写真のど真ん中にオオバンを食らうオオワシの姿は見えない。ブログの筆者は野鳥観察用のスコープでオオワシのもの食う姿を堪能し、スコープの性能に感嘆し、最後に肉眼よりもさらに視野の限られた写真を提示した。
 枯木が山を覆っているようなこの写真の中に、翼を広げれば人間よりも大きくなる猛禽が確かにひそんでいるらしい。図鑑や映像でしか見たことがないが、オオワシがたくましい両足で木枝をつかみ不動の姿勢で周囲を睥睨している姿は王者の風格がある。古代より国家や王家の紋章に多用されてきたのにも得心がゆく。
 急にメルヘンチックになるが、70年代にシャンソン歌手のバルバラが歌ってヒットし、日本では岸洋子さんが歌った「黒い鷲」(岩谷時子さん訳詞)という歌を思い出す。
『いつか忘れたけど ある日目が覚めると 大きな空が裂けて 黒い鷲が飛んできたの/雲へ翼広げて 空へまるい輪をかき 羽の音も重く 私の傍 下りてきたの/鷲の瞳はルビー 二つの翼黒く 王子様のようなマントつけて 下りてきたの/肩にとまりながら 頬に頬を寄せて 耳の傍で熱く 喘ぎながら ささやいた/ぼくと帰ろうよ いつも夢を見てた 小さな時のように 星を取りに夜の空へ/ぼくと帰ろうよ 雲に乗って朝は 太陽見に行こうと…』 長い引用になったけれど、このあと鷲は悲しそうに空へ消えた。
 この歌を聴くとサンテグジュペリの「星の王子様」が浮かんだりした。子供の心を忘れた大人のために書かれたともいう本だ。そして大空を切り開いて飛び出した黒い鷲のゆるやかな飛翔と旋回、風を切る羽根の音、燃えるルビーの瞳、マントのような翼、耳元で響く熱い喘ぎが夢の中の出来事のように巡った。
 猛禽ワシタカの美しさと力強さは人の心を捉えてきた。ある展示場で実物さながらの象嵌・鋳造の12羽の鷹を見た時、その精巧さ・迫力に圧倒された。鈴木長吉らによって製作され、明治年間の1893年シカゴ コロンブス万博に出品された作品だ。19世紀後半西欧に日本美術が紹介されジャポニスムの波が起こった時代、国力で後れを取る日本が工芸技術と芸術性の高さをアッピールすべく出品した作品の一つだという。
 ルビーならぬ金色の瞳をもち、自在の姿態を表し、金属の羽の1枚1枚が空気を含み鷹の体温を感じさせた。正面を見据えた像の体躯にはエネルギーが満ち、頭頂から首へさらに翼へと流れるような美しい形をなし、不釣り合いなまでのいかつい足がそれを支える。鋭い爪を蓄えたこの足と尖った嘴に肉食の鳥の生きる力がみなぎっていた。
 ほとんどの像が左右非対称で、頭を斜め上あるいは下、また足元にかえして向け、バランスをとる翼の角度と広がり具合が鷹の緊張とそのゆるみを伝えるようだった。片足で立ち胸元のふわりとした羽毛からもう片足の鋭い爪を覗かせ肩をややかしげている姿は、まるで外套をまとった「こわもて」が懐手をしているようだ。瞳は一点をにらみ体を大きく前傾させ今まさに翼を広げようとしている像は獲物を狙い定めた姿なのか。どれも迫真の姿をとどめていた。
食物連鎖の頂点に立つワシタカは、豊かな自然生態系の減少と共に早々とレッドデータブック入りしたものが幾種もあるというが、その一つオオワシが雪模様の残る山あいで悠々と捕食している。そう思って見ると謎掛けのような写真にも趣がなくはない。
ワシといえば、百年に1度という金融危機を迎えて世界中が注目する米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)のビル正面上部にも、緩やかに翼を広げる猛禽の石像が威風堂々と塵界を見下ろしている。アメリカの国鳥ハクトウワシは、他のワシタカ同様一度は激減しながら保護政策によって息を吹きかえしたと聞く。そんな話を耳にすると、世界経済にも起死回生のワシのご利益ありや、とつい期待する。「大鷲の瞳は人の世に向はざる 下村非文」というけれど…。

投稿: Mariko.F | 2009年3月23日 (月) 20:38

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