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2008年2月

まだまだ寒さが…

ここ数日、急に日差しが暖かくなってきた。

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木の幹には干からびたノキシノブがついている。寒さが厳しいと葉の水分を減らして凍らないように工夫しているようだ。本当に「耐えている」という言葉がぴったりの姿だ。

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寒さは苦手

スギ林は林床に直接霜が降りないので、林床の植物がなかなか枯れない。しかし、雪が積もれば別だ。積雪と同時に林床植物は枯れる。調査しているナライシダもしかりだ。

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常緑のような顔をしていたワカラナイナライシダもホソバの遺伝子が枯れるように指示をだしたらしい。これをみると、やっぱり少しはホソバの遺伝子を持っているらしい。ナンゴクは雪が積もっても全体枯れることはない。純正のホソバはもっと早くに勝手に枯れている。ワカラナイ…は嫌々枯れたようだ。雑種との決定打は遺伝子レベルの解析をするしかないのだろうか。

長野県植物研究会の発表まであと2週間…一方で、BSの「ちりとてちん」の一週間一括放送を感動しつつ観ている。…伊那谷で調査してきたことを、小咄のように「どっちやわからんいうてやってまいります、その道中の陽気なこと」というほど明るく発表できるのだろうか。この状況を楽しむ位でないと…。

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もうすぐIII

冬の花芽シリーズ第3弾

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ヒカゲツツジの花芽。薄黄色の花をつける常緑性のツツジ。ツツジというよりシャクナゲに近い。ツツジとシャクナゲは分類上の属は同じ。Rhododendron(ロードデンドロン)というラテン語が何となくかっこいい。

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こちらはクチナシの花芽。バニラやジャスミンのような香りの白い花をつける。jasminiodes(ジャスミンのような)というラテン語の種小名もうなずける。クチナシは果実からとった黄色を栗きんとんの色づけに使う。黄色い加工食品の多くに「クチナシ色素」が使われている。西洋では同じ成分を含んだ黄色の天然色素に「サフラン」のめしべがある。

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もうすぐII

冬の花芽観察第2弾。

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ミツバツツジの仲間の花芽(コバノミツバ?)。鱗状の皮に細かい綿毛がついていてかわいらしい。一寸ブナの芽吹きの様な雰囲気だ。

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真冬だというのにモチツツジが狂い咲きをしていた。モチツツジは5月の連休の頃にようやく咲くはずなのに、寒空の中、ぽつんと咲いていた。咲いた後、霜にあたったらしく、部分的にしおれていた。

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最近の絵画ソフトは…

絵を得意としているKさんに絵画ソフトを教えて頂いた(感謝!)。PhotoshopやIllustratorは高価なので今まで遠慮していたのだが、フリーで使い勝手も良いとのことなので早速インストールしてみた。その名を「SAI」という。

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驚異の動作の軽さが魅力。色彩の指定や筆の太さ、色の乗りの強さなども細かく指定でき、ノートパソコンのタッチパット上の操作1時間程度でズグロカモメの簡単な絵ができた。手ぶれ補正機能もあるので、それを使えば上の絵のギザギザもでないのかもしれない。本当に使い勝手が良い。

これは…きちんとマウスやペンタブレットを使えば相当面白そうな気がする。少しリアルな生き物図鑑を作るのに便利かもしれない。5年前に作った美ヶ原イネ科図鑑がアニメチックなのでこのSAIを使ってリアルバージョンをつくろうという気が湧いてきた。

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もうすぐ

もうすぐ春という頃になるといろいろな花芽を観察するのがおもしろい。

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ショウジョウバカマの花芽はまだまだ固いが、あと1月半もすれば綺麗な花を咲かせる。春の渓流にショウジョウバカマの花が咲いて、ミソサザイの囀りが聞こえる様になると一気に暖かくなる。

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路傍の立春

2月は1年で一番寒い時期だ。長野県の松本は最低気温が-10℃にも達することもある。最高気温も氷点前後までしか上がらない。

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そんな中、早くもイヌノフグリが咲き始めた。ヨーロッパ産のオオイヌノフグリは花が空色で直径が4mm位、畑や田んぼの畦にあるのに対し、イヌノフグリは花が桃色で、直径が2~3mmと小さく、古い町の石垣や植え込みの隙間で見られる。イヌノフグリは農薬に弱いらしく少しでも農薬がまかれると見られなくなる。農薬をまいていない水路の土手などにもあるが、全国的には滅多に見られない。運良く松本市街は、このか弱い花をよく見かける。

オオイヌノフグリも元気があって綺麗だが、イヌノフグリの小さな花の方が「立春」という言葉に合っていると思う。

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難点がふえる一方

難解な植物の名前をつけるには、図鑑を調べる方法と、押し葉標本を見る方法がある。現在調べているシダを図鑑や文献で調べても行き詰まりを感じたため、きちんとした人が作り、きちんとした人が名前をつけた標本を見ることにした。信州大学に問い合わせ、標本庫の使用許可をもらった。信州大学の標本庫に入っている標本には「SHIN」という略号がつけられ、国際的な標本庫のデータベースにも登録されている。「ナライシダ」と名のあるものだけで大量に収蔵されていた。

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50年前の標本。ただ保存されているだけではなく、整形も綺麗だ。後世に資料として残すためにはこれくらい綺麗な標本を作らなければならないというのを思い知らされる。

もともとナライシダは昔1種類とされていたが、現在3種類2雑種に分けられている。戦前の古い標本はみなナライシダとだけ書いてあったが、90年代に長野県植物誌を作る際に一度全部見直され、全ての標本に名前が追記されていた。しかし再チェックの際に「ホソバ」「ナンゴク」以外に「ナライシダ」とだけ書いてあるものも多く、「ナライシダ」とだけ書いてあるものは、以前紹介したどちらか分からないタイプだった。

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↑胞子のうが萎縮して明らかに雑種と思われるものもあった。氷点下の標本庫に6時間こもり、顕微鏡も使って分かったことは「分からない」ということだった。

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