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短い夏

今年は猛暑だった。とにかく暑い日が続いた。仕事の合間をぬって短時間美ヶ原高原に行った。といってもそれは先月の話で、その間ひたすらブログ更新をさぼってしまった。

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写真はマルバダケブキというキクの仲間に群がるアサギマダラ。このチョウは長距離移動することで知られる。夏の間は高原などで花の蜜をすっているが、秋になると南方に移動を開始する。この浅葱色(新撰組の羽織の色)は美しい。飛ぶ姿も優雅だ。初めてみたときには本当に息をのんだ。こういう大型のチョウを広角レンズで撮ってみたいと思っていたが、ついに撮影に成功した。

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コメント

アサギマダラは黄色のあでやかな花によく映える。浅葱色のまだらの(色や濃淡の入り混じっている)チョウということだが、中米コスタリカの自然を取材した番組でスカシマダラというチョウを見た。名前が似ているから仲間なのだろうか。向こうが透けて見える透明の羽根にところどころ銀粉をのせた彫金細工のような芸術品だ。また生きた宝石といわれるモルフォチョウが青い光を反射しながら緑の中を飛ぶ姿も幻想的だった。チョウの美しさはデザイナーなどの意匠にも用いられる。手前勝手な感じ方だが私はショパンの「黒鍵のエチュード」を聴くといつもチョウが小刻みに位置を変えながらひらひら舞う姿が浮かんでくる。また「ちょうと三つの石」という大人向けとも思われる童話が小川未明氏の作品にある。主人公の女は正直な働き者だが次々と夫に先立たれて生涯三度結婚する。それぞれの夫との暮らしは幸せであった。女は夫があの世へ旅立とうとするたびに「極楽に向かう山の峠で待っていて下さい。」と願う。夫は愛する妻の人生の幸せを望みながら最期の約束をする。やがて女も老いて死を迎えあの世の峠にたどり着くと、かつての三人の夫が約束通り待っていた。女はどの夫とあの世へ旅立てばよいのか決めかねる。仏様は女が心を決めるまでチョウとなって此岸に戻るようにと命じる。ところが女はいく百年たってもさとりがつかず美しい姿で花から花へと飛び回り、あの世の峠で待つ三人の夫は三つの石になったという物語だ。美しいチョウはうつろいやすい心を想像させるのだろうか。石になってもうつろわずチョウを見続ける三つの姿も印象的だ。チョウの舞を飽かず眺める未明氏のまなざしも感じる。チョウはさまざまな想像力と創造力をかきたてる。

投稿 Mariko.F | 2007年11月17日 (土) 12:24

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