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2007年9月

当たり前

琵琶湖周辺は昔ながらの里山が多く残っている。珍しいものを頑張って見つけられるのはなく、当たり前のものが当たり前のように生きている。

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写真はハイヌメリ。休耕田や湿地に生えるものだが、除草剤に弱いのですぐに姿を消してしまう。特に個性がないので誰にも気づかれない草だが、今激減しているのではないだろうか。綺麗で貴重だとみんな必死で守ろうとするが、ハイヌメリのようなものこそ人知れずなくなっていくのではないだろうか。

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小さな川沿いにはミクリが群生していた。ミクリは水路の雑草としてやっかいものだが、豊かな水路の象徴だ。ミクリがある水路周辺には必ずきらりと光る普通種が生育している。

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にほの海

日本で一番大きな湖は琵琶湖である。カイツブリが多いので旧名をとって「にほのうみ」という。琵琶湖は湖というよりは1つの海という感じで、対岸が全く見えず、少し高台から眺めると瀬戸内海にいるような感覚になる。この湖にはたくさんの水草が生育している。種類もさることながら、その現存量もおびただしい量である。

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岸際に打ち上げられた切れ藻。高さ30㎝くらいに達している。クロモ、ササバモ、センニンモなどの普通の水辺ではなかなかお目にかかれないものばかりで、まさに宝の山だ。

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浅瀬に生育するセンニンモ。生きている姿を見ることさえ滅多にないものが、当たり前の様に生えている。この当たり前がずっと続くことを願ってやまない。

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記録樹立

現在ホンダのトゥデイに乗っている。トゥデイといっても4サイクルのバイクではなく、四輪車のトゥデイである。かなり古いがまだまだ絶好調である。それがついに200,000kmを突破した。オートバックスでこの前オイル交換をしたら、「次回のオイル交換の目安は3,000km走行後の23,000kmです」などというご丁寧なメッセージが貼ってあった。まさか整備を担当した車が200,000kmを目前にしているとは思わず、20,000kmであると勘違いしたらしい。

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記念すべき200,000kmのオドメーター。壊れそうな部品は壊れる前に直す。これが長く乗るコツなのかもしれない。オートメカニック誌には相当お世話になった。この月刊誌は車雑誌に多い「いかに速く走るか」というコンセプトではなく、車の構造をしっかりと解説した上で車に手を入れるという地味なコンセプトに好感が持てる。平成7年式のトゥデイに搭載されるエンジンは名機とされるエンジンで、現在のホンダのほぼ全ての軽自動車には電装系統を改良した同型エンジンが搭載されている。スズキも同時期のものが現在の原型となっている。ちなみに同時期のダイハツのものは評判が悪く、完全に絶滅してしまい、新型を作って現在の壊れにくいダイハツのエンジンを開発したそうだ。地味ながら軽自動車エンジンの世界では3気筒と4気筒のエンジンの間で規格争いになり、結局ホンダ・スズキ派の3気筒が勝った。ダイハツは敗北。その後、ダイハツには相当トヨタの技術が流れたらしく、現在ではトヨタの小型車のエンジンはひたすらダイハツ製である。ちなみにトヨタのスポーツ系のエンジンはヤマハ製。さすがというかなんというか。恐ろしいのがスバルというメーカーで規格争いには全く参加せず、いろんなバリエーションのエンジンを作っている。赤帽で使われているサンバーに搭載されているエンジンは平均寿命400,000kmという。どれだけ整備してもこれほどの耐久性をもつ軽エンジンは他にない。小粒でもぴりりと辛い元航空機メーカーなのだ。

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Let's地デジ

美ヶ原の王ヶ頭と言えば松本市をはじめとする中信地域にテレビ電波を配信しているアンテナが林立している。

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最近地上デジタル放送が始まりアンテナの形状が大きく変わったかと思いきや、風景に変わりはない。アンテナ塔下部についているパラボナはアナログ放送。アンテナ塔先端の筒状の小さな物体が地デジ用なのだそうだ。地デジは映像が綺麗とか映像、音声以外の情報を乗せることができるとか言われているが、従来と比べて電波発信装置の形状が一番変化しているのかもしれない。アンテナ塔の印象を変えることなく、地デジ用のアンテナが密かに搭載されていたとは知らなかった。

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美ヶ原は松本市街から40分くらいで到達できるが、標高は2000メートルちょっとある。そのため、天候が変化しやすく、突然ガスが立ちこめることもある。美ヶ原は大雨でも松本は快晴というのも何度も経験している。住んでいる場所のすぐそばに山らしい山があることに感謝せねば。

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短い夏

今年は猛暑だった。とにかく暑い日が続いた。仕事の合間をぬって短時間美ヶ原高原に行った。といってもそれは先月の話で、その間ひたすらブログ更新をさぼってしまった。

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写真はマルバダケブキというキクの仲間に群がるアサギマダラ。このチョウは長距離移動することで知られる。夏の間は高原などで花の蜜をすっているが、秋になると南方に移動を開始する。この浅葱色(新撰組の羽織の色)は美しい。飛ぶ姿も優雅だ。初めてみたときには本当に息をのんだ。こういう大型のチョウを広角レンズで撮ってみたいと思っていたが、ついに撮影に成功した。

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ミクロな世界II

昨日顕微鏡下で乾燥標本のエゾノサヤヌカグサを見ていたら、つい水辺が恋しくなって実際にエゾノサヤヌカグサが生えている場所に起きてすぐに行ってきた。エゾノサヤヌカグサが生育している場所には秋を代表するような水辺の植物が生育しているので、それを見ておく必要もあると考えたからだ。お目当てのエゾノサヤヌカグサの周辺にウキヤガラやヌマガヤツリ、ウシクグといったカヤツリグサ科のかっこいい湿性植物が群生し、小さな水路には特定外来種になってしまったオオカワヂシャも綺麗な花をつけていた。今や水鳥が飛来したり、人為的な改変をおこなった場所特有の光景が長野県にも点々と見られるようになった。密かに知られていないのは水鳥が果たす植物種子の運搬というのは想像以上に大きいということだ。水鳥のいるところ、大型のカヤツリグサありである。彼らはイネ科やカヤツリグサ科の種子が大好物で、食べている光景をみると体中に種子をつけて、穂をくわえている。カモ類は夜行性なので、昼間にそんな光景を見ないのは当然だ。これから10月くらいの夕方や明け方にカモを見に行くと意外な生態を目の当たりにする。

エゾノサヤヌカグサの生きた標本を採取して、早速昨日見ていたものと見比べてみた。サヤヌカグサの仲間の違いは微少で、穂が出る時期が短いため、毎年知識がリセットされる。

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上の色がくすんだものが、乾燥標本。下が今日採集したもの。籾の脇のトゲの長さや実の大きさ、おしべの長さなど、完全に一緒だ。少々不安だったが、安心して名前を付けることができる。エゾノサヤヌカグサを採集した場所で「ブタクサモドキ」という花粉症のもとになる小さな雑草を見つけた。はっきりと開花したものを初めて見たので感動した。こういうオプションが一番楽しい気がする。

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ミクロな世界

長い間ブログの更新をさぼってしまった。更新していない間にすっかり秋になってしまった。実は仕事で植物の名前をひたすら調べる日々があった。名前を調べるといってもルーペも使わずに分かるものはすぐに名前が付くのだが、イネ科だのカヤツリグサ科だのといった単子葉植物の場合はルーペでも分からないので「双眼実体顕微鏡」という器械の名前だけでもたいそうなものを使って拡大して調べている。

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上の写真はエゾノサヤヌカグサというイネの仲間だ。長野県ではごく普通に生えているが、調べるのは結構手間がかかる。定規も一緒に写っているが、14.3㎝のあたりに定規に沿って棒状のクリーム色の小さい物体があるが、これはおしべの先端の葯でこの長さが名前をつける決定打になる。サヤヌカグサの仲間の「サヤヌカ」は「鞘糠」で、食用のイネに似ているが、もみ殻(さや)のみで中身は糠の様に小さいことにちなむそうだ。

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上の写真はトウグミというグミの仲間の木だ。出たばかりの葉の表面にだけ「星状毛」という星型というかイソギンチャク型という感じの毛が生えていて、葉が生長しきってしまうと消失する。初夏の調査の時には葉が生長しきっていたが、最近の調査の時に運良く新しく伸びた枝を採ることができた。

そろそろ秋本番になるので、秋らしい植物を探しに行かねば。

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