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2007年8月

緑色

生き物の名前は何が由来なのか分からないものが多い。鳥のイカルなどは奈良の斑鳩の里に多いからとも、現在の斑鳩あたりはイカルが多いから「いかるが」となったとも、由来がどちらなのか分からなくなっている。植物にもイカルほどではないが、よく分からないものが多い。

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写真はカワミドリ。花が蛍光紫と言えるほど目立つシソ科の植物だ。少し湿った林縁などで繁茂している。小さな沢の横などに多いためか、名前に「かわ」がついている。しかし「みどり」の由来が分からない。葉が緑色なのはどの植物も同じだし、緑色が特徴的な訳でもなく、見慣れなければ葉だけで識別するのは困難だ。私なら「サワムラサキ」という名前にしたいところだが、それではムラサキ科の一種になりそうだ。やはり生き物の名前は複雑怪奇だ。

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エゾスズラン

エゾスズラン…名前だけ聞くとユリ科のスズランの仲間のようだ。実はランの仲間である。カキランという柿色の花をつけるランの親戚だ。

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少し崩れた斜面などに生育していて、長野県では比較的簡単に見つけられる。標高は1000メートル弱から2000メートル近くにまで見ることができる。写真のエゾスズランは東信の廃道になった県道沿いで撮影した。カキランはかなり派手な植物だが、花弁の色が違うだけで、すぐには見つからないくらい地味なものになってしまう。この場所には相当数のエゾスズランが生えていた。かつて車が走っていたアスファルトにはひびが入り、その隙間からは小さな木が生えていた。このような廃道はひそかな植物の楽園になっているのかもしれない。

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スズメのお宿

スズメは人里にありふれた野鳥だ。スズメは不思議な習性を持っていて、巣は人家の屋根など隙間につくり、ヒナが巣立つとまだ餌を自力でとれないヒナをつれて山に向かう。巣立ちびなを育てるのは山の中なのだ。英名はTree sparrow。ヨーロッパにいるイエスズメがずっと街中で子育てをするのに対して一時森林に住むことがTreeの由来だという。

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写真は長野県飯山の道の駅の軒先につくられたスズメの巣。屋根の隙間にワラを詰めている。頻繁に親鳥が餌を運び入れていた。スズメやツバメは人間の作った建物に巣をつくるが、人間が現れる前はどこに住んでいたのだろうか。大昔には高床式倉庫などに巣をかけていたのだろうか。人間が現れる前には繁栄していたとは思えない。大昔はひっそりと生きていたのだろう。

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熱帯のイチジク?

熱帯雨林は世界で最も多くの植物が生育している。その生活スタイルや生き残り戦略は多様だ。木のサイズが大きいため光を獲得するのにも一苦労だ。中にはツルとしてしっかりした幹を持たずに他の植物の上に乗っかることで光を獲得するものもいる。さらにすごい戦略としてツル植物として他の植物に絡まり、十分に大きくなった頃にツルを太らせ、自分は独立した木になり、巻き付いていた木を絞め殺してしまうものがある。これを「絞め殺し植物」といって熱帯ではイチジクの仲間がそれにあたる。

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日本にはそれほどの植物はないと思っていたら、ある日、フジがヒノキに巻き付いてそのまま肥大し、巻き付かれていたヒノキが枯死しているのを見かけた。あまりにショッキングなのでデジカメをカラーではなく、白黒モードで撮った。枯死したヒノキは途中で折れており、絞め殺されたらしい。身近な植物にも壮絶な生き残り競争はあるのだ。

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ヤマゴボウ

小学校の理科の実験で植物の汁を使って色水をつくったことがあった。あのとき一番簡単に布を染めることができたのが、ヨウシュヤマゴボウという植物の実であった。ヨウシュヤマゴボウは空き地や道際にたくさん生育している。実から取れるワインレッドの汁が洋酒(ワイン)を連想させるのだろうか。この植物は明治以降に北米から日本にやってきたものだ。ヤマゴボウ科の植物はヨウシュヤマゴボウばかり眼にするが、中国原産で江戸時代に栽培されていたヤマゴボウや在来種のマルミノヤマゴボウがある。マルミノヤマゴボウはまだ見たことがないが、ヤマゴボウはごく稀に見かける。

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人の背丈ほどもあるヤマゴボウ。ヨウシュヤマゴボウは茎や葉に赤みがあるが、ヤマゴボウにはない。少し薄暗い環境を好んでおり、社寺林などに生育している。衰退しつつある帰化植物らしく、人為的に安定した環境が維持されている場所にひっそりと生育しているが、いつか誰にも気づかれることなく、絶滅するのかもしれない。

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ようやく梅雨明け

今年は台風がいくつか上陸したことや太平洋高気圧の北へ張り出しが遅かったせいか、梅雨明けが遅かった。ようやく本州でも梅雨が明けた。梅雨空のなか鮮やかな花を咲かせていたアジサイの季節も終わる。

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写真はエゾアジサイ。園芸用のアジサイの原種ともいわれている。日本海側の多雪地帯のスギ林や落葉樹林の下に生育している。太平洋側にはエゾアジサイの変種関係であるヤマアジサイが生育しているが、花が小さく、花が白いことが多い。エゾアジサイは花や葉が大きく、青い花が多い。日本には紫色の花は多いが、青色の花というのは殆どないため、エゾアジサイをみるとうれしくなる。どんよりと曇った季節に暗い林床に咲くエゾアジサイは気持ちを明るくしてくれる。

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